いつぞやミヤマクワガタをポンと採ってきて以来,すっかりあてにされてます。今年クワガタどうです? 採れましたか? また持ってきませんか?
どうやら息子さんのためというより,ご本人が虫好きの若い同僚からさりげない催促が。慶応出てる情報処理の専門家でも,クワガタが好きなんですねえ。
よし分かった,わしもプロじゃ。まかしとき。
そう言ったはいいのですが,梅雨が先週開けたばかりのせいでしょうか,クワガタがいない。水戸周辺で人の来ない秘密ポイントを含めて心当たりを巡ってみるのですが,
行く先々に待つのはカブトムシばかり。
カブトムシ,ムナビロオオキスイそしてカナブン。でもクワガタがいない。
前回の記事の通り,実はそれほど昆虫採集に情熱はありません。でも最近は生物のフィールド屋が少なくなって,相対的に私のような者にまでお鉢が回ってきたり。そこでこんな雑木林を足で探して樹液の出てる木を探します。
ことし,どこででも目にするのがアカボシゴマダラ。水戸の森から北茨城・花園の山中,先日はうちの庭を舞っていました。爆発的と言っていい増え方で,ひょっとして外来種なので天敵がいないのだろうか。
ザコの代名詞カナブンも,アオカナブンとなると少し扱いが変わります。もっともただのカナブンでもアオいのがいるので要注意,これはどっちだろう。
昆虫採集でよく出会うのがでっかいコメツキムシ,オオクシヒゲコメツキ。これで隠れてるつもりらしい。
ようやくクワガタを見つけても,コクワガタかこれ,スジクワガタ。いくら何でもほうらクワガタだよーと言ってコクワを渡したのではかっこが付かない。せめてノコギリ,できればミヤマ!
これも前の記事で紹介した「師匠」に今年はクワガタいませんねーと言ったら「ええーっいつも通りだよー,ノコギリもミヤマも普通にいるよー」とのお言葉が。師匠の住まう県北部ではそうなのかと行ってみますが
木のウロの中が掘り出されてます。クワガタ採りの人たちのしわざ。昆虫愛好家でもフィールドワーカーでもなく,「茨城のクワガタ」銘で転売目的の人たち。師匠の言うには「あいつらバカだよー,メスを採って採卵して育てりゃ楽なのにさー」。いえいえ師匠,そういう手間ができる人ならちゃんと働いてますって。
樹液を出させるために激しく傷つけられたクヌギ。こういう荒らし方をする人が増えた気がする。
この木の傷はまだ真新しい。樹液は出なかったようです。
足早に逃げるアカアシクワガタ。これも素人にはコクワに見えるので見逃されたのでしょう。この場所も本当に荒らされまくりでした。
で,早朝5時に水戸市内の秘密ポイントで,ようやくノコギリクワガタをゲットです。これ一匹のためにとんでもない労力をかけてしまった。
カブトムシはどの場所でも見かけました。里山環境のバロメーターとしてはクワガタよりもハードルが低い。みんなクワガタじゃなく,カブトで満足しようよー。
…… わかってます。クワガタはクワガタ,カブトで代用できるものではない。男の子の夢のポケットは,繊細で多様なのです。いいです,女性に理解してもらえなくても。
↓ 以前のクワガタ記事です