お散歩の通り道に小さな唐揚げ屋さんが開店したのは、はて昨年末か今年初めだったか。もうとっくに唐揚げブームは終わっているのに、うわあ大丈夫かと他人ごとながら心配したものです。それがひょんなことから弁当も作っていることを知り、散歩帰りに週一くらいで昼食を買うようになりました。お兄ちゃんひとりで切り盛りしていて、その人のよさそうな丸顔にほだされて軽く会話も交わす仲に。狭い店内に大書されたアントニオ猪木の名言なんかを見ながら経営相談なんかされたものでした。
おかしいと思ったのはこの夏。関東を襲ったあの炎暑の中、お昼時なのに店が開いてません。一度だけ開店していた時に聞いたら、どうせ外出規制がかかっていてお客さんが来ないから、とのこと。でもそれがお兄ちゃんを見た最後でした。看板はそのまま、10 月に入ってから店内を覗いたら厨房はもう片付けられていて、ああそういうことかと。以上を家人に話したら言われました。
「またやったか」
小さな食堂、マニアックな喫茶店、フィルム時代に現像を頼んでいたカメラ屋に至っては少なくとも3軒。私がひいきにしたお店は必ず潰れるんですわはははは。付いた二つ名が「 疫病神 」。
言い訳させてください。読者の皆さまはご存じと思いますが、このとおりの変わり者です。判官びいきな気もあります。流行りのラーメン屋に行列する人をバカにする側の、自分はちょっと違うんだと思いあがっているような奴です。人気の店をあえて拒否して、裏通りの寂れた店を選ぶようなことばかりしています。店主が少しおかしな趣味ならもう大喜び。結果として私がひいきにする店は経営が長続きしません。私が来たから潰れるんじゃなくて、私が潰れそうな店を選んでいるんです。
さあ水戸近辺の個人商店の皆さま、黒ずくめの男にご注意ください。そいつが週一くらいで現れるようになったら、頭上をハゲタカが回り始めています。終末の臭いを嗅ぎつけて来たのです、警告です。早々に心を入れ替え、通好みの商売にきっちり見切りをつけて、大衆に迎合した経営をなさいませ。さもなくば破局に至る運命を受け入れることになりますコトよ、うふふ、うふ、うふ。
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