ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

ゴジラ・震電・映像研

 

 「鹿島海軍航空隊跡」に行ってきました。戦後半世紀以上を経てようやく公開された戦争遺構です。ゴジラ-1.0映像研には手を出すな!ラーゲリより愛を込めて仮面ライダーBlack、などのロケ地です。霞ケ浦に面した茨城県美浦村みほむらにあります。

 


 かつての自動車庫、ここが受付。駐車場もこちらで。

 


 村の所有ですが、運営は笠間市の「筑波海軍航空隊」と同じ団体が行ってます。入園料には施設維持費の意味合いもあるので、もっと人に来てほしいなあ。

 


 土日限定で要予約ですけど、何と水陸両用バスでゴジラ討伐作戦に参加できます。今日は遠慮しとこう。

 


 もちろんこの自動車庫が旧軍遺構その一。厳密な建造年はわかりませんが 90 年くらい経過してるでしょうか、このサビとびょうの迫力ったら。

 


 あああたまらん。

 


 この時の内部には漫画「映像研には手を出すな!」のパネルと歴代ゴジラの映画ポスター、そして「ゴジラ-1.0」制作現場のスチール写真が展示してありました。

 


 映像研。ここでロケを行ったのはあくまでも実写ドラマ・映画です。でもなぜか漫画版の「浅草みどり」が美浦村観光大使に任命されたり。どうやら原作者さんがここを気に入られたようですね。きっと土地に良い印象を持たれたのでしょう。

 


 私は伊藤沙莉が浅草みどりの声をあてたアニメ版も好きですが、ドラマ版で浅草役の齋藤飛鳥が披露した見事な長回しタンカに感動しました。映画を見るほどでは、とは思いましたけど。

 


 ゴジラどーん。映画版の駆逐艦雪風」側面図も。映画ではもう一隻「ひびき」も出ておりますが、受付のお姉さんがその違いをちゃんとご存じで恐れ入りました。好きでこの仕事をしているんだそうです。

 


 スチール写真。ここ自動車庫はラストで活躍する戦闘機「震電しんでん」の格納庫の撮影に使われ、実際に震電が置かれました。わあその場にいたかった。外ではバラックゴジラに破壊された街、このあとご紹介する本庁舎では建て物内のシーンが撮影されたようです。

 


 土日限定、地元の方が出店するカフェ。「炭焼きチキン弁当」が絶品でした。ほんとに庫内で炭火を焚いて焼くので

 


 煙が充満してたのはご愛敬。火気厳禁は 80 年前までです。

 


 航空基地でしたからとにかく広大。入園料にはガイドツアー費用も含まれてますのでぜひご参加ください。個人では入れない場所にも行けます。ちなみにネット公開された実写版「推しの子」はこの敷地全域を使って撮影されたそうです。

 


 で、そのガイドツアー。この回はさっきの受付のお姉さんが担当してくれました。

 


 軽油庫。このツアーでしか入れません。中は真っ暗で、シャレで持ち歩いてるハンドライトが役に立ってしまった。

 


 このコンクリート塀も実は旧軍時代のもの。そういえばこの型のを私の子ども時分に近所でもよく見かけたな。


 土地が平らで霞ケ浦や北浦が広がる茨城県は「空が広い」。東京に近いこともあって、海軍の訓練飛行隊が各所にありました。以前記事にした笠間市の「筑波海軍航空隊」は陸上機搭乗員の訓練隊でしたが、日本海軍の巡洋艦以上の船には必ず水上偵察機が積んであって、ここ鹿島海軍航空隊はその水上機の訓練部隊でした。だから霞ケ浦に面した美浦村の、その湖畔にあります。

 


 艦載水偵の主役、零式水上偵察機。重いフロートをぶら下げた水上機は低速で動きも鈍く、敵の戦闘機に補足されたらそれで命運は尽きます。ここを巣立った搭乗員のどれほどが戦争を生き延びることができたでしょう。それでも戦いが終わるその瞬間まで、彼らの心に迷いはなかったと思います。

 


 これが本庁舎。

 


 いい廃墟感をかもしています。

 


 さて内部は

 


 撮影のためにカーテンや窓が修復された部屋もありますが

 


 傷みが激しく、昨年の開園以降に立ち入れなくなった部屋もあります。

 


 高い天井とか凝った意匠とか、見どころはあるんだけどなあ。

 


 ガイドツアーの特別。2階は窓が閉めきられ真っ暗、通常は入れませんが案内して頂けました。またハンドライトが役に立った。

 


 この廊下もゴジラのワンシーンにあったと思う。

 


 戦時仕様の窓。

 


 食器が再現された食堂。

 


 ゴジラパネルの前に震電コクピット

 


 前大戦の記憶を、決して忘れてはいけません。私はそう思います。

 


 手持ちの「顔出し」があった。たまには「半顔」でいかがでしょう。

 


 ここでツアーは解散です。それではいよいよ、あの煙突を目指すとしますか。最初から目を付けておりました、アレはアレだと。

 


 コレです。と言っても、実写版の「映像研には手を出すな!」を見てない方にはわかりません。この実写版、ドタバタした演出は評価として微妙でしたが、実写化でいちばん問題となるキャラクターの再現度は素晴らしいものでした。そしてたぶん難しかったのが、作中の舞台として重要な「部室」。極めて特異な立地と外観・内装で、原作漫画をそのまま再現するのはどう考えても不可能でした。でも実写版のロケに使われたのはそれを補って余りある外観と調度の、廃墟感とかレトロ感とか、赤さびの浮いた鉄骨やら朽ちかけた巨大な装置やら、旧軍施設の遺構だという原作のエッセンスそのままの想像力刺激しまくりの場所でした。ロケ地はてっきり東京湾岸あたりの廃工場なのかと思っていたのですが

 


 コレだった。旧軍時代のボイラー棟でした。

 


 この入り口で形態模写部がタヌキの鳴きまねをしてた…… と言っても見てない人は困るだろうけど。

 


 外も中もここが使われました。ああっ作中で浅草みどりもこのボイラー缶に感動してたっけ。帰宅後すぐにブルーレイに録ってあったドラマ版で確認しちゃいました。

 

    


 これを見てドーパミンの出ないクリエイターはいないと思います。結果として素晴らしい部室シーンが撮られました。

 


 ちなみに受付でクイズ用紙が配られていて、正解すればオリジナルのクリアファイルがもらえます。ここにその引き換え用紙がありました。

 


 すぐそばには発電機室もあって、こちらもいい雰囲気です。

 


 内部は白黒で撮ってみた。腕のいい人が広角レンズで撮ればもっといい写真になります。

 


 ボイラー棟と一緒に

 


 そばにあるここは濡れた機材を乾かす物干し場。こちらも良い廃墟感です。

 


 堪能いたしました。

 


 最後のシメに、広大な敷地を車で移動して霞ケ浦湖岸に。ここには水上機を湖面に降ろしたスロープと

 


 カタパルトの土台が残されています。

 


 軍艦からはこんな感じで打ち出される、その訓練用設備でした。

 


 クイズの景品のクリアファイル、こんなでした。3人で行ったので3枚ね。楽しい時間が過ごせましたが、地元で「筑波おろし」と呼ばれる強烈な北風が吹き始めて後半は寒かった。皆さまには気候の良い時節でのご来園をお薦めいたします。

 

 

 

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