ジノ。

愛と青空の日々,ときどき【虫】

ついに一線を越える、そして脂肪を燃やす体をつくる

 

ライン越え

 異変に気付いたのは昨秋 10 月。いつまでも続く残暑にあえいでいた頃でありました。


 さすがにそろそろ秋冬ものを出さねばとタンスの中身を検めて、厚めのジーンズを引っ張り出しました。色は黒。この色のボトムは私のトレードマークで、季節ごとに生地の違うものを身に付けます。暑い間は通気口の開く特別なズボンを愛用していたのでジーンズは久しぶり。今年もこれの季節が来るなあ、どれ一度はいてみるか…… あれ? …… いやいやまさか…… いやそんな…… そんなバカな…… ぐぼぼ、苦しい……

 


              太ったああああ


 あああなんてこったい。40 年ですよ 40 年。40 年間維持してきた体形・ウエストサイズ、そのサイズのジーンズがはけなくなったんです。ショックウウウ。確かによく見ればいえよくつまめば腹の肉がびよよんと。それ以上に内臓脂肪というもっと厄介なものが増えているかも知れません。結局ワンサイズ大きい秋冬ジーンズを買うはめになりました。


 言い訳! 言い訳をさせてください。いつまでも暑かったのが悪いんです。気温が高いということは、体温維持のエネルギーが必要なかったということ。歩いて消費するにしても、暑いのでさんぽの時の歩行速度をかなり落としていました。体温の熱源と歩行エネルギー、いずれも脂肪が使われるべきところその消費量が著しく少なかったのでした。

 


対策

 さてどうしよう。① 脂肪の蓄積を増やさない、② 脂肪の消費を増やす、とはまあ考えつくところです。脂肪の元は糖質の余剰ぶん、食べた脂肪が蓄積するのではなく、余分な糖質が脂肪に合成されます。また人体で脂肪を効率よく分解するのは「褐色脂肪細胞」と筋肉の中の「赤筋」です。ここから攻めよう。


 対策① 昼食の糖質はカット、夕食でも減らす。

 対策② 歩行速度を上げ、その際に「有酸素運動」を心がける。


 そうして始まったのが、昼食はコメを避け、スーパーの総菜で肉料理とサラダを食うことと、週二のさんぽで呼吸を意識しながら早足で歩くこと。


 ちなみに筋トレはずっと続けておりますが、筋トレで鍛えられるのは「白筋」、筋トレそのものも「無酸素運動」です。私は典型的な「赤筋」優占タイプでいくらトレーニングしてもムキムキにはなりません。それでも昨夏に薄着でスタバに入った時にレジの姉さんのセールストークで「ジム帰りですか?」なんて言われる程度には筋肉質です。細マッチョってなんだそれ。

 


筋肉

 ここで筋肉についてひと講釈垂れてもいいですか。


 筋肉、例えば腕を曲げたときにムキッとなる上腕二頭筋のような「骨格筋」のことですが、その筋肉は通常の組織の細胞にあたる「筋繊維」が束になって構成されます。この筋繊維に大きく二種類あって、それが赤筋白筋です。


赤筋(遅筋)
 緩やかに収縮するが疲れにくい、長時間持続型、長距離走型。鍛えても太くならない。
 有酸素呼吸で脂肪を分解してエネルギーを作る。魚なら遠泳型のマグロ。赤い。

白筋(速筋)
 素早く収縮するが疲れやすい、瞬発型、短距離走型。鍛えると太くなる。
 無酸素呼吸で糖質を半分解してエネルギーを得る。魚なら待ち伏せ型のヒラメ。白い。


 ヒトではこの両者の割合の個人差が大きく、それが遺伝的に決まってます。つまり短距離選手か長距離選手かは生まれつきなんです。で私は赤筋優占、昔から長距離競技が得意でした。筋肉とは別にアドレナリンが多めで基礎代謝が大きいというのもアドバンテージです。さあどうなるにわかダイエット。

 


ロカボ

 もう一つ講釈、山田 悟 医師の提唱する「ロカボ」について。


 一時「糖質制限ダイエット」というのが流行りました。食事から徹底して糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)を除外する食餌療法です。おコメやパンをいっさい食べません。もちろん心的ストレスは相当なものですがそれ以上に、私的な意見ではありますが糖質を完全に断つのは身体に良くない。人間の体はもともと糖質から直接のエネルギーを得るようにできてます。狩猟採集の原始人だって平素は木の実草の実を食べていたはずです。それを断つということは。…… 糖質制限ダイエットの第一人者と言われた人が二人までも突然死しています。私の同僚にも実践している奴がいましたがさっぱり細くならず、体調が悪い悪いと念仏のように繰り返しながらそれを理由に仕事をせず、ついにはセクハラでクビになりました。


 糖尿病専門医の山田先生が提唱したロカボは、炭水化物を断つのではなく量をコントロールし高タンパク・高脂質の食事をせよというものです。高脂質・低糖質の食事を摂っていると、ブドウ糖しかエネルギーにできない脳に糖質が優先され脂肪を燃やしやすい身体になるのだとか。糖尿病の予防にもなります。私にはとても腑に落ちる論理で、いま実践しているのもこれに近いものでした。

 


 夕方の民放ニュースショーの、毎日よくこれだけネタがあるもんだと感心する特集モノで「あなたの借金いくらですか」と街行く人にインタビューする企画がありました。そんな質問に答える方も答える方だけど、ひとりのおネエちゃん答えていわく「えーやっぱりウエディングドレス着たいのでー、スポーツジムに通うのに 60 万借りましたー」というのがありまして、この二重三重にカン違いしている思考にどこからツッこもうかと考えてしまいました。がとにかくこのおネエちゃんに言いたい。ただ痩せたいだけだったら生活の中で有酸素運動をしなさい。30 分で脂肪8グラムを消費できますよ、と。


 週2回、往復8キロのおさんぽ。トロトロタラタラと怠惰な歩行になっていたのを改め、背筋を伸ばし大股で早足、特に後ろ足の踏み切りを意識して歩きます。呼吸は深く規則正しく腹式呼吸で、有酸素有酸素と念じます。前を歩く人を次々と抜かすことになるのですが、お一人だけよく同方向に行き会う人で、若くて現役らしい作業服を着て、背が高くて足が長くて、この人にはどんどん離されました。何者か気になります。いやたぶん足の長さが問題なんだろうけど。あと結構な勢いで黒づくめのおっさんが突き進むので行き違う女子高生にロコツに避けられたりしますがもちろん気にしません。脂肪を燃やすのだ。冬なのも幸いしました。気温マイナス四度でも駅に着く頃には汗をかいてます。


 昼食も持参したプロテインバーだったり、帰宅してから適当なスーパーの総菜コーナーを覗いて、その日目に留まった肉モノとサラダを手に取る。もう好きなものだけ。こういう楽しみがあるから続けられるのです。続けるうちに店ごとの総菜の違いやイートインコーナーの親切さの差もわかるようになりました。…… そんなこんなで春になりました。

 


結果

 さあ薄物を羽織る季節です。ジーンズもしかり。恐る恐る、昨秋に拒絶しやがった黒ジーンズに足を入れます。太ももが筋肉で太くなったようですが大丈夫。問題はウエストのボタンだ。さあ、さあ。

 


               入ったー!


 見事ボタンが締まりました。4ヶ月に渡るダイエット、とりあえず成功です。


 おかげさまで腹は引っ込みました。春ジーンズは元のサイズで買いました。嬉しかったので勝利の舞をご覧にいれます。

 

 

 

 

 

 


            世界人類が平和であらんことを。

 

 

 

 

↓ 昨秋 10月。

↓ えーと。

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