2月なのに,水戸の今日の気温は17℃になるとか。完全に春の陽気です。いかんこのままでは冬が終わってしまう。
この冬にやりたくて,まだできてないこと。それがゼフィルスの卵探しです。あ,これは以前の記事の写真。
温暖化では説明のつかない北方系の昆虫の南下が伝えられています。県北山地ではウスバシロチョウやスギタニルリシジミが普通に見られるようになりました。そして虫取りの師匠から,虫屋(昆虫愛好家)の憧れゼフィルス(ミドリシジミ類)の一種アイノミドリシジミが分布を広げていると聞いたのです。ああ見たいぞその姿。
ゼフィルスは冬季の越冬卵採集が定番です。阿武隈山地の奥底,北茨城の花園に向かいます。このブログでおなじみの私には聖地と言っていいい場所で,以前にこれも北方系のジョウザンミドリシジミの卵を採ってます。ゼフィルス採集の必須アイテム,高枝切りバサミを構えて突入!
…… と思ったらこれ。
林道の遥か先まで行きたかったのですが,積雪があるからでしょうか,花園神社の駐車場で止められてしまいました。昔は冬でも何でも通れたのですが,最近は行政が責任逃れに熱心で困ります。もっとも,悪いのは取るに足らないことで言い掛かりをつけてくる自称一般市民なのだけど。しかしさあどうしよう。
そもそも花園神社の駐車場がいっぱいです。この季節にはあり得ないこと。皆さんここに車を停めて,この先の奥の院や七つ滝を歩きに来ているようです。変化に富んだ愉快なトレッキング道なのは確かで,たぶん何かの媒体で紹介されてしまったのでしょう。私が行きたいのはそのずっと先なのですが,困った,歩いて行くには高枝切りが目立ちすぎる。
とりあえず神さまにはご挨拶を。
安産祈願の杉の木にもご挨拶。いや産む予定はない。
それではと亀谷地かめやぢの湿原に向かったのですが,ここも林道が閉鎖され入り口には駐車車両が。かつて冬の花園は人跡の絶える空のかなたの異境だったのに,いつからこんな人気の場所になってしまったのか。来る人に文句はつけませんが,また一つ私の聖地を失った気がします。まあ私はその聖地で木の枝をちょん切りまくろうとしていたわけですが。
ここもだめかと,車を先に進めます。しばらくずんずんと走って,視界にカラマツが現れたところで県境を越えたことに気づきました。ここはもう福島県。…… 今日はこんな日だったんでしょう。踵を返すことにしました。
そもそも気合が足りないのです。昆虫の分野で何かを見つけたりしたいなら,もっと全身全霊を傾けねば。人の目を気にしたりする根性では,朝9時に家を出るような気構えでは,何も手にすることはできないのです。
以前にもご紹介しましたが私のこのブログ,検索で第一面に表示される記事が結構あります。でもそれはすべて石とか花とかを絡めたものです。昆虫に関する記事は相手にされません。だって,採集・飼育・分類・標本そして写真。細分化された昆虫界の各分野それぞれにとんでもないプロフェッショナルがいるのです。しかもチョウ類とか甲虫類とかの各分類群ごとに。いずれも仕事は何やってるのかわからないような,日々の生活から人生そのものまですべてを昆虫に捧げてしまっているような人たちです。自身のブログを昆虫図鑑にしてる人もかなり。失礼ながらこんなバカが付くような漢おとこたちにその時々に好きなことをへらへらとやっている私のような者がかなうはずがありません。いや対抗しようとも思わない。だから今日のようなことにもなるのです。
農家の庭先にフクジュソウ。いいです私は昆虫に人生を捧げられるような器ではありません。ただ広大無辺な自然から美しいものを切り取って愛でていきます。それが私の幸せです。
この光の中に宇宙はある。
コケの修行も続けています。モノになるのはまだ先です。
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