今年の春の庭をご紹介します。
家人がウチでも海浜公園などと言うので何のことかと思えば,ネモフィラが咲いたのでした。もらったタネを蒔いておいたのだと。へえ。切り抜いた空の一片がはらりと舞い降りたような,思いがけず良い花色に感心しました。
ヒメスミレも春を喜んでいます。他の雑草どもを肩で押しのけながら,果敢に濃紫の花を庭のあちこちに咲かせています。この逞しさもまた魅力なのです。
ツバキが今年はとんでもなく花を付けました。大丈夫かおマエ,死ぬのか? 最後なのか? なんてツッコミを入れたくなるくらい不気味なほどの盛大な開花でした。
それが美しいならいいのですが…… 中途半端な斑入りの,上品とも華やかとも言えない微妙な花で,家族全員誰も話題にしません。なんだろうこのバツの悪さは。
アケビのグリーンカーテン用のネットを張り直しました。昨年の台風で綱が切れたままだったので。これからつるが伸びまくって,いい木陰を作ってくれるでしょう。またアケビコノハが来てくれると嬉しいな。
そのアケビですが,とにかく元気で,鉢植えのころのいじけた姿が今では懐かしい。三本に分裂したのを分けて裏の塀のラティスに這わせ,授粉用にさらに一本買い求めて合わせて四本が大繁茂。害虫も現れたりしたので昨秋に大剪定してしまいました。
元からのはそれでも元気に花を咲かせましたが
授粉用のは花芽を付けませんでした。これでたぶん,次の秋の実の収穫はないでしょう。いいです。もう家の者は誰も食べてくれないので。すこし木を休ませてあげましょう。
剪定して失敗したのがスイカズラ。
1本が枯れてしまいました。剪定後にみるみる弱って,残った葉が枯れ落ちていって,ついにそのまま。剪定は何度もしましたが,今回は木が弱っていることに気づいてやれませんでした。可哀そうなことをしてしまった。このスイカズラは記事にしましたっけね。あれ,割とお気に入りの記事だったんですが。
弱らせた原因はたぶんこいつ,クサボケ。地上部はだいぶ剪定しましたが盛大な地下部を張り巡らせているはずです。枯れたスイカズラは両側から攻め立てられていたのでしょう。
クサボケはクサボケで大切にしているので悩ましいことですが,剪定に強いのは知っています。これからは毎年強めに伐って,残ったスイカズラを守ってやろうと思います。
クサボケは我が庭の小さな主役です。小さくとも強い。
主役と言えばこれ。ハマナスが今年も新芽を不気味にもたげています。毎年根元から伐ってバーナーで焼いているのに,年々株がデカくなる。そろそろ本気で対処しないと,レンガ塀が破壊されるのは時間の問題です。
家の土台近くにキアゲハらしい蛹。出どこはたぶん庭のニンジンかパセリ。害虫としてずいぶん駆除したのですが。
畑で育つキアゲハの幼虫は,蛹になるとき驚くほど長距離を歩き回ります。安全な蛹化場所を探すのでしょう。どうやらこの個体は無事に空へ還ることができたようです。我が庭で巡る命のサイクル。
命と言えば不思議なのは,我が庭には時にヌシのようにヒキガエルがいたりします。台地の上の住宅地,水場からは遠く家々は塀で囲まれています。どうやって現れるのか謎です。まあ,一度住み着けばダンゴムシが豊富で毎日水撒きがある我が庭は理想の住処でしょう。寿命の長いヒキガエルが終の棲家としても不思議はありません。先代はうっかり家の前に出ばったところを車に轢かれました。今回は何かに捕食されたようです(グロいのでお見せしませんが,腹側がない)。以前はヒヨドリに連れ去られるニホントカゲやモズのはやにえにされたカナヘビもいました。ヤモリは元気かな。
多くの生きものが生と死を謳歌する,狭いながらも命の巡る庭です。今年もまた誰も知らない物語が語られていくのでしょう。
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